ピザハット
2017年05月26日
ドミノ・ピザ/激変する宅配ピザ業界
日本の宅配ピザは、1985年に日系ハワイ人のアーネスト・比嘉氏が「ドミノ・ピザ」を持ち込んだ事に始まります
その後、輸入商社のフォーシーズが1987年に「ピザーラ」を、日本KFCが1991年に「ピザハット」を設立。この3社が牽引する形で拡大してきました
現在、シェアトップは「ピザーラ」です。「ピザーラ」社の資料によりますと、1997年から首位の地位にあるそうです直営とFCを合わせた直近の店舗数は547店舗、売上高は370億円程度です
ただ市場規模は1990年台前半には1400億円程度に達したものが、20年以上にわたって停滞「ピザーラ」もここ数年は店舗数は微減傾向で、売上高も減収が続いています
ところが停滞していた市場がここ数年、急激に伸び始めています。英調査会社ユーロモニターによれば、2012年に1443億円だった市場規模は、2016年に1603億円にまで拡大しました。
「ピザハット」と「ピザーラ」の勢いに陰りが見られる中で、市場を牽引しているのが「ドミノ・ピザ」です。「ドミノ・ピザ」社はアーネスト・比嘉氏が持ち株の一部を売却して、2006年に大和証券系のファンドとミスタードーナツを展開するダスキンが主要株主になりました
その後は米国の「ドミノ・ピザ」が投資ファンドのベインキャピタルに買収された事で、日本法人も2010年に同ファンドの傘下入り。更に2013年9月にオーストラリアや欧州で「ドミノ・ピザ」を展開する大手FCチェーンが買収するなど、運営会社を転々としてきました。
そんな混乱もあってか、万年業界3位に甘んじてきた「ドミノ・ピザ」だが、2014年にLサイズピザが半額になる、店舗から直接持ち帰るならもう1枚無料になる、などの販促がヒットしました。
低価格戦略と、他社が手薄だった地方に出店する事で、シェアを伸ばしているそうです
「ドミノ・ピザ」はここ数年は年間50〜100店規模の出店を続けて、急激に拡大
2014年に「ピザハット」を抜き、直近の2016年6月期の売上高は334億円と「ピザーラ」に肉薄しています。快進撃が続けば、「ドミノ・ピザ」が業界首位にないそうですね
苦戦が続いてファンドに売却される事になった「ピザハット」は再び成長できるのでしょうか
「ピザーラ」は「ドミノ・ピザ」の猛追を振り切り首位を守れるのでしょうか
宅配ピザ大手3社の戦いが気になります
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2017年05月25日
日本KFC/ピザハット売却
6月12日にエンデバー・ユナイテッド社の投資ファンドに譲渡する予定です。金額は非公表ですが、数億円程度とみられています。エンデバー・ユナイテッド社は、かつて三菱自動車や音響機器のティアックに投資していたフェニックス・キャピタル系列の会社です
この10年の累計赤字は30億円超
ピザハットは1958年に米国のカンザス州で生まれました。現在はKFCとともに米ヤム・ブランズ社の主要ブランドの1つになっています。
日本では1991年に日本KFC傘下の宅配ピザとして、営業をスタートしました現在は直営店、フランチャイズ店合わせて全国に370店舗を構えています。
ですが、安定した利益を稼ぎ出すKFC事業に比べて、ピザハット事業はアップダウンが激しかった様です変則決算や事業セグメントの変更などはありますが、この10年間で黒字化したのは3回に過ぎないそうです
2017年3月期は、5期ぶりに黒字となったそうですが、10年間で累計30億円超の赤字を垂れ流しています
業績不振は売却理由ではない?
日本KFCは直近では2007年に米本社とFC(フランチャイズ)契約を結び直しています。契約内容は、2007年12月〜2017年11月までは出店費用として1店ごとに100万円を支払いますが、10年ごとの契約更新料は無料というものです。
ただ、今年11月からは金額が変わり、1店当たりに支払う金額は4.19万ドル(約465万円)に、契約更新料も2.09万ドル(約232万円)にハネ上がるそうです
ロイヤリティは売上高の6%。
2012年度までに149店を新たに出店すれば減額される契約になっていましたが、この出店数は達成出来なかったのです。
日本KFCホールディングスの社長は5月10日の決算会見の場で、「(米国の)本部は相当な勢いで出店する事を期待している。それに対し、当社はどちらかと言えばもう少し足元を固めつつやっていきたい。成長のスピードに関する(考え方の)共有がなされていなかった」と、ピザハット売却の背景を説明されました。
会社側は今回の売却について、「長年赤字だったから、FC契約料が上がるから、という事で売る訳ではない」「売却は以前から決まっており、(2017年3月期の)黒字化のタイミングは関係ない」と強調しています。
ただ、米本社が期待した成長を達成できず、収益も厳しかったピザハット事業を、FC契約の各費用が上昇する直前のタイミングで売却したとみるのは行き過ぎた見方でしょうか
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