タカタ製エアバッグの異常破裂による最初のリコールは２００８年１１月です

それから８年半余りが経過しました。
米国だけで１１人の死者を出した欠陥エアバッグ問題は世界的な安全部品メーカーの経営破綻という形で一つの区切りを迎えました。ですが、リコールは途上で、今後も事故の懸念はくすぶる。リコールの早期完遂と再発防止の徹底が欠かせません

タカタは１９３３年に滋賀県彦根市で織物工場として創業しました。織物技術を生かして６０年からシートベルトを手がけ、８０年にエアバッグの量産も開始。ともに世界シェア約２割を誇る一大メーカーとなり、安全技術の向上を通じて自動車産業の発展を支えてきました。

エアバッグの異常破裂が見られる様になったのは２０００年代前半。
ホンダが初のリコールに踏み切った翌年の２００９年には米国で初の関連死亡事故が起きました。原因不明のまま異常破裂が相次ぎ批判が高まる中、タカタが製造工程を監査する独立の委員会を設置するなど対応を本格化したのは２０１４年の事です。対応が後手に回ったとの批判は免れません

タカタは「硝酸アンモニウム」という火薬材料を用いた独自技術に強みを発揮し、ホンダなど自動車メーカーとの共同開発を通じてエアバッグの販売を伸ばしてきました。ですが、メーカーとの間で、事故原因の究明を巡り責任を押し付け合った上、経営再建策についても合意できない間に被害が広がり、リコール費用の負担も膨らんだそうです。

国内のリコール対象は累計１８８２万台ですが、そのうち交換用部品の不足などから回収率は７３％にとどまる。日本の様な車検制度がない米国では、更に回収率は低いとされています。

不具合に気付いた初期の段階からタカタと自動車メーカーが協力して、部品の改良や交換の為の増産に動き出していれば被害の拡大を抑えられた可能性もあります。

悲劇を繰り返さない為にも、リコール対応と再発防止に自動車業界全体で取り組んで欲しいです


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