協議難しく、支援必要

昨日の続きです。

養育費の分担割合を決めて離婚した夫婦が６割に過ぎない事の背景には、合意や話し合い自体が難しいという実情があります。手引の配布にとどまらず、養育費を確実に受け取れる為のより具体的な支援を望む離婚経験者は少なくない。

１０月初めに離婚が成立した名古屋市の女性（３９歳）はこう振り返っています。

「離婚する夫婦が冷静に話し合うのは難しい。自ら情報収集しなければ、どう取り決めればいいのかも分からなかった」。

７月下旬に夫が突然、別の女性と同居を始めました。幼い子３人を抱えていましたが、離婚を決意。役所の窓口や日本司法支援センター（法テラス）での相談に駆け回りました。離婚に向けた話し合いが出来たのは約２カ月後。
「１人で会うのは怖い」
と、弁護士に立ち会いを依頼しました。

しかし、それ以上の弁護士費用は工面できず、夫への慰謝料の請求を諦め、離婚成立を優先させました。自ら公証人役場で公正証書の書き方を習い、夫とメールを約６０回やり取りしました。
・毎月の養育費は約１０万円
・親権者は母親
・夫と子との面会交流は月２回

と取り決めました。

女性は「離婚理由を作ったのは夫なのに、私から話し合いを求め、元夫の条件をのんだ。理不尽です」と唇をかむ。
特に養育費の取り決めは、情報収集する時間や心身の余裕、弁護士に依頼する経済力がなければ難しいと感じます。
「結局は当事者の自助努力次第。（法務省の）手引だけで有効な支援と言えるのでしょうか」

離婚事件に詳しい弁護士によりますと、家庭内暴力（ＤＶ）などで夫婦間の争いが激しい場合、養育費の取り決め自体、難しい。
公正証書を作成しても本人が所在不明になったり、勤務先や預金口座が分からなくなったりして差し押さえも困難になるケースが後を絶たない。弁護士は
「この様な場合には、国が相当の額を社会保障として安定的に支給し、その分を支払い義務のある親から徴収する仕組みを整える必要がある」と強調しています。


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